2009年5月2日土曜日

SEトレーニング2日目

講師のMaggie Klineはすばらしい。質問に対する答えも的確だし,ゲシュタルトやボディワーク等を学び,豊富な臨床経験に裏打ちされたたたずまいはエレガントで,しかも気さく。休憩時間は,海外からボランティアで参加しているアシスタントとのコミュニケーションもちょっとづつ進む。Bay areaから来たTerryに,Jaiを知っているか?と聞くと知っているといって驚いていた。世界は狭い。アシスタントの中にはロルファーもいて,彼の名はアレー。被災地での救援活動に積極的に参加してきた経験があり,四川省の大地震や,スマトラ沖大地震後,現地入りして活動してきたらしい。被災により瓦礫の下に長時間閉じ込められた子供にワークした話は興味深く感動的だった。SEの多くの可能性を再認識した。こうした活動は,Foundation for Human Enrichment(人間の質的向上のための財団)を通じて,SEによる社会支援が行われているとのこと。
私がSEに惹かれた理由の一つに,私自身の30年前の交通事故体験がある。中学生だった私は歩行中に車に当てられ,気がつくと車道脇の草むらに着地していた。ずっと謎に思っていたのが,強い衝撃が身体に加わっていたはずなのに,事故直後痛みを全く感じることなくただそこに横たわっていた。なぜ身体のどこにも痛みを感じなかったのか?手にわずかにかすり傷もあったが,それすら,痛みがなかったのだ。
しかし,その答えをPeter Levineは持っていた。捕食される側の動物は,捕食者に捕らえられる直前に身体の感覚を遮断し,凍りつく反応を自動的に起こす。それによって捕食者に肉体を捧げるが,全感覚が遮断されているので,痛みを感じることはない。自然の摂理が生んだすばらしいメカニズムだ。動物本来の,"戦うか逃げるか"の2つの反応にもう一つの"凍りつき"を加えたのが,Levine氏である。凍りつきを起こしても,自然界の動物は,危険が去った後に,凍りつきを解除し,神経系を正常に復帰させるために,チャージされたものを解放する動きを自発的起こす。この解放のプロセスが完結されないと,皮質レベルの思考では危険がないことが分かっていても,身体は今安全であるとは納得しない。そのために,何かちょっとしたきっかけで,身体が過剰な反応を起こしたり,長期に渡って,自律神経系に悪影響を及ぼし続ける。これがトラウマのやっかいな点である。
SEは,トラウマの体験そのものに焦点を当てない。それを追体験したり,詳細なストーリーを語る必要はなく,副交感神経が活性された安全な環境を提供し,身体感覚を通じて”今”にクライアントを引き戻すことに焦点を当てる。それによって,初めて神経系は混乱から抜けだし正常化に向かうことができる。
自分も含めて,トラウマ体験を扱う必要があると知りながらも,嫌な思いをした割に何の成果もないような治療は受けたくないと思っている人々は多いのではないだろうか?

SEのクラスに話しを戻そう。
2日目の今日は,野生動物のふるまいに関するビデオを観て,身体でそれを体験。続いて軽い題材を選んで,ペアを組んで実習。組んだのはカウンセリングを仕事にしている方だけあって,問いかけや傾聴のスキルが高いことに関心する。

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