2011年3月30日水曜日

震災翌日に

震災の翌日3月12日の朝に予約を入れていたクライアントの方は,その日が初回で,何事もなく彼はロルフィングのセッションにいらした。電話回線の混雑で連絡をとりようにも取れなかったのだが,あまりの彼の落ち着いてオフィスに入ってきた感じに,驚くばかりだった。後日その理由を尋ねたところ,彼は家では日頃からTVのコンセントは抜いていて,つけっぱなしにすることはなく,必要なときに必要なだけコンセントを入れてTVを見ることが習慣になっているという。震災時もインターネットで津波の映像を知ったが,それをTVで見続けることもなく,揺れを感じた以外は日頃と同じ生活を続け,家族全員が全く精神的な動揺はなかったのだという。むしろ,ニュージーランドや四川省,スマトラ沖の地震など世界各地でそういった自然災害は常にどこかで何年かに一度は起きていて,それがたまたま日本に起きたということに過ぎないと思ったそうで,被災された方々には本当に気の毒だが,決して特別なことが起きたというインパクトはないと仰っていた。

メディアに影響されることなく,一歩引いたところで,グローバルかつ冷静に捉えるためには,少なくとも必要な情報を必要なだけ取り入れることを心がけるしかない。

メディアの害といえば,過去に沼津の群発地震を経験された方で,震災後3日間一人でTVを籠もって見続けて完全に調子を崩したクライアントの方もいた。彼は思い切って外に出て歩いてみたら,気分が戻ってきたとのこと。動くのはとても大切だ。

リピートされた悲惨なTV映像の害で,食欲不振や不眠などの変調に悩む方が都心で続出しているらしい。

もうこの場所に居ると腹で決めたのなら,むやみに放射能を恐れず,しっかり呼吸して動いた方がいい。放射能の有無に関わらず,体内ではいつも秩序を保つための制御系が働いている。DNAは傷ついてもDNA Polymerase Ⅰによって修復され,ガン化の恐れのある細胞は,ナチュラルキラー細胞などの免疫担当細胞によって排除される。実に巧妙なシステムである。こうした免疫系は,精神状態が密接に関わっていることがわかっている。

つまり,気分をよく保てば,免疫もよく働いてくれる。過敏によくわからないものをびくびく恐れているより,ずっと健康につながるはずだ。

また,人には他者を助けたいという衝動が備わっているらしい。ニーズやタイミングをよく見ておく必要があるが,何かしたいという衝動があったら,それを発散できる何らかの動きをした方がいいだろう。エネルギーはため込むと良くない。




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