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災害時のメンタルヘルス
(自分を落ち着かせる方法)
大変大きな災害が発生いたしました。東日本の親戚や友人、被災した方を思い、心を痛め、心配な時間を過ごしている方は多いと思います。被災された皆さまとその後家族、ご友人の皆さまに、心からお見舞い申し上げます。
震災から派生する二次的な災害も起こっており、皆さま心配も大きいと思いますが、まず、ご自身の安全を確かめ、自分を落ち着かせて下さい。これは、援助者・世話をする立場の人にとって、一番大事なことといわれています。ミラーニューロンというものがあって、「落ち着いている」神経は、「落ち着きをうつす」ということがわかってきています。まず、自分が落ち着いていることが、周囲の人にとって役に立ちます。
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息を詰めて、呼吸をしていなかったり、肩や首、歯を食いしばって、力が入っていることはないでしょうか? 緊張しているところにほんの少し意識を向けて、それが、和らいでくるまで時間を取って見ましょう。息を吐いて、次に自然に空気が入ってくるのを待ってみて下さい。 あるいは、「わたしは大丈夫」と声にだして、または、心の中でつぶやいて、自分自身で自分の腕や、おなか、足を触ってみることや、自分を抱きしめることは、自分を落ち着つかせるために役に立ちます。 のどとみぞおちの間の胸の上に手を置き、その温度と重さを感じてみます。そのまま、少し、自分のために、静かな時間を取ってみましょう。そうしていると訪れてくる、自分の落ち着いている感覚を、カラダに覚えさせてみてください。
大人の方は、この感覚をもって、子ども(周囲)に関わってみてください。
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ふらつく感覚や、麻痺した感覚、興奮した感覚や行動がおこるのは、高いストレス時には正常なことです。 そのことに気づき、休息(目を閉じる、自分の身体にきづく・触る、横になる、情報を遮断する)をとるようにしてみてください。
テレビからの情報収集は、不安や緊張など、さらなる活性化(緊張や不安、疲労の引き金)を引き起こします。視覚情報は、そこから離れることを難しくするという特徴もありますので、できるだけ、ラジオからの情報収集をお勧めします。
不安になっている人が周囲にいるとき、援助や世話の仕事をしている人は、よりアドレナリンが出やすく、心身が活性化しやすいといわれています。このエネルギーは、発散されないと、無力感を強くしたり、心身の不調のもとになるといわれています。
この(緊張・不安)エネルギーを発散することは、日常生活を送ることや、心身の疲労の回復にとても役に立ちます。
大人にとっても、もちろん子どもにも、動くこと(散歩・買い物に行く、料理をする、運動をするという生産的なことから、歩き回る、歌う、・・など、非生産的なことまで)、遊ぶこと、笑うこと、声を出すこと、泣くこと、涙を流すことなどは、発散を助け、これからの日常生活や回復をより簡単にします。
ききわけのよい子どもは、我慢してエネルギーをため込みやすいので、触られるのをいやがらない子どもは、時々、目を合わせてにっこり笑ったり、頭や背中をなでてあげること、抱きしめてあげることはとても役に立ちます。
責任感の強い人は、頑張りすぎたり、休むことを自分に許さなかったり、災害弱者に共感しすぎたりして、肉体的にも精神的にも疲弊しやすいことが知られています。また、被災者への罪悪感から、楽しむことや笑うことなど自分の世話をする活動を自粛してしまうこともよく起こる行動です。また、怒りを感じやすくなったり、感情の起伏が普段より大きいときも、配慮が必要な合図かもしれません。それらのことは、ストレスが強いときに一般的におこるものですので、そのことを伝え、休息をとるように周囲からそっと促してみて、応じるのを待ちましょう。無理強いは禁物です。関わるのが難しいときは、少し距離を取って、まず関わりをもとうとしている自分を、落ち着かせることから始めましょう。
上記を試して、まず自分そして家族や周囲のコミュニティを、落ち着かせてみてください。
周囲の人にも、まず、自分の安全確認、まず落ち着くことが一番大切であることを、広げていって下さい。ちょっとずつ、自分と家族とその周辺から、落ち着きの輪を広げていきましょう。みんなでつながって、のりきっていきましょう。
祈りとともに
臨床心理士 角田みすゞ
平成23年3月15日
<参照・引用文献>
災害メンタル・ヘルス支援 西尾和美Ph,D
Mitchell, Jeffrey T. & Everly, George S. Critical Incident Stress Management (CISM): Group Crisis Intervention
トラウマ療法であるソマティック・エクスペリエンス®(SE)の療法家(米国在住)から届いたサポートメールをSEプラクティショナーであり臨床心理士の藤原千枝子がまとめたもの 他
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